国交省が業界包含の企業評価模索・・・経審など現行制度検証始める
「正直者が馬鹿を見る」とは、いつの時代も理不尽への皮肉として語られてきた言葉である。建設業の企業評価制度を検討するワーキンググループの初会合で、座長がこの言葉を引いたと聞き、日々経営事項審査(経審)の書類と向き合う行政書士としては、深く頷かされるものがあった。
経審は建設業者にとって公共工事参入の切符であり、私たちが申請書類の作成を代行する機会も多い制度である。数値化された経営状況や技術力は一見公平に映るが、実際には公共工事を請け負う元請中心の評価にとどまり、真面目に技能者を育て、生産性向上に汗を流す専門工事会社や下請の努力までは十分にすくい取れていないのが実情だ。見える化評価制度も同様で、運用開始から六年を経てなお、認知も活用も乏しいという。
思えば評価とは、点数をつけること自体が目的ではない。誰が、何のためにその結果を用いるかが定まって初めて、評価は生きた道具となる。求職者が安心して入職できる会社を選ぶため、発注者が信頼できる取引先を見極めるため——使い道が明確になれば、おのずと測るべき指標も見えてくるはずだ。伊勢建設業課長の「誰の何を評価すればいいか見えてくる」との言葉には、その本質が言い当てられている。
もっとも、申請実務を担う立場から見れば、制度が複雑になるほど、誠実な中小事業者ほど手続きの壁に阻まれやすいという現実もある。せっかくの改革が、体力のある大企業だけを利するのでは本末転倒であろう。人手不足が深刻化するいま、正直に汗を流す企業が正当に報われる仕組みをどう設計するか。年度末までの議論の行方を、実務の最前線から注視したい。

