熊本県高校駅伝(男子第79回、女子第42回)が31日、熊本市東区のえがお健康スタジアムを発着するコースで開かれる
深まりゆく秋の気配が、阿蘇の山々から吹き下ろす風にも感じられる季節となった。熊本の街にも朝夕の澄んだ空気が満ち、木々の葉が色づき始めている。そんな胸を突くような青空の下、三十一日に「えがお健康スタジアム」を発着点とする県高校駅伝が号砲を鳴らす。
女子十八チーム、男子三十二チームの若者たちが、国体道路や第二空港線の舗道を駆け抜ける。女子は五区間二十一・〇九七五キロ、男子は七区間四十二・一九五キロ。高校生たちが一歩一歩、幾重にもタスキをつないでいく。一人ひとりの足音が、これまでの汗と涙、グラウンドで流した無数の時間をアスファルトに刻みつけるかのようだ。
駅伝の醍醐味(だいごみ)は何といっても「絆」の重さにある。個人競技でありながら、チームの命運が一本の布に託される。前の走者が絞り出すように差し出すタスキを、次の走者が全身で受け止め、未来へ向かって飛び出す。そこには、言葉を超えた連帯のドラマが生まれる。順位やタイムの裏側には、補欠に回った部員たちの思いや、支え続けた指導者、家族の祈りが幾重にも織り込まれている。
十二月二十日の都大路(京都)へ続く切符は、男女各一校のみ。十一月の九州大会への道も含め、夢に手が届く者もいれば、悔し涙をのむ者もいるだろう。しかし、勝敗の彼方に燃え上がる青春の炎は、そのどれもが等しく尊い。
秋風の中を懸命に前へ、前へと進む高校生たちの姿は、私たち大人にも真っ直ぐな生き方を思い出させてくれる。それぞれの思いを込めたタスキが、明日へと力強く引き継がれていくことを、心から祈りたい。
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