熊本県内、6日未明から明け方に大雨の恐れ

天が怒り狂ったかのように、またしても激しい雨が熊本の地を打ちのめした。昨日5日、九州に居座る梅雨前線が猛威を振るい、午前中には熊本地方で「線状降水帯」が発生。山鹿市で1時間に70ミリを超える滝のような雨が降り、八代市には一時、警戒レベル4の避難指示を伴う大雨危険警報が発令された。公共交通機関は足止めを食らい、人々の日常は瞬時に緊迫の度を増した。

近年の梅雨は、かつての情緒ある「しとしと雨」の風情を完全に失ってしまった。牙を剥く豪雨はもはや「異例」ではなく、毎年のように繰り返される「日常の脅威」となりつつある。2020年の令和2年7月豪雨をはじめ、この地が潜り抜けてきた幾多の水害の記憶が、濁流の音とともに蘇る。激しさを増す気候変動を前に、私たちは自然への畏怖を新たにせざるを得ない。

気象台の予報によれば、本日6日も未明から明け方にかけて非常に激しい雨が続き、熊本や阿蘇地方ではさらに雨量が積み重なる見込みだという。降り始めからの総雨量はすでに各所で150ミリを超えており、地盤は限界まで水分を含んでいる。目に見える雨が弱まったとしても、足元の土砂は音もなく崩落の牙を研いでいるかもしれない。「これくらいなら大丈夫」という根拠のない経験則は、牙を剥いた自然の前では脆くも崩れ去る。

天災を止める術を私たちは持たない。しかし、過去の教訓を命綱に変える知恵は持っている。ハザードマップの確認、早めの避難、そして隣近所への声かけ。命を守るための行動に「空振り」を恐れる必要はない。雨音に警戒を緩めることなく、互いの安全を確かめ合いたい。暗雲が去り、再び阿蘇の青々とした山並みが美しい姿を現すその時まで、今はただ厳重な警戒を続け、この難局を凌ぎ切る時である。

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