熊本地震からの復興を応援してもらおうと、熊本県大阪事務所が「食のみやこ熊本県復興応援フェア」を開催
時の流れがもたらす風化は、往々にして人々の記憶を静かに削り取っていく。だが、ひとたび遠く離れた街で馴染みの「味」や「赤」に出会えば、あの日の記憶と支援の志は鮮やかに蘇るのだと痛感させられる。
大阪市内で開かれた「食のみやこ熊本県復興応援フェア」。会場を彩ったのは、旨味が詰まった馬刺しに鼻を抜ける辛みが癖になるからし蓮根、そして濃厚なスープが食欲をそそる熊本ラーメンといった特産品やグッズの数々だ。百五十品を超える逸品を手に取り、嬉しそうにレジへ向かう人々の姿がそこにはあった。
二〇一六年の熊本地震から歳月が流れた。「ちょっとでも応援できたらいいなと思って」——訪れた客が口にしたその一言に、このフェアの本質が凝縮されている。遠く離れた関西の地で、人々は単に珍しい味覚や買い物を楽しんでいるのではない。特産品を買い、味わい、現地へ想いを馳せるという一連の行いを通じて、熊本の地に寄り添う小さな温もりを届けているのだ。
会場をひときわ沸かせたのは、おなじみのPRキャラクター「くまモン」の登場だった。愛くるしい仕草で来場者とふれあう姿は、単なるPRを超えて、熊本の「元気」と「感謝」を全身で伝える雄弁な大使そのものであった。
復興とは、単にインフラを再建することだけを指すのではない。被災地とそこに想いを寄せる人々との絆を紡ぎ直し、持続的な関心を持ち続けることこそが、真の復興を支える大黒柱となる。買ってたべる、そして訪れる。食と観光を通じた小さな応援の輪が、これからも熊本の明日を明るく照らし続けることを願ってやまない。

