終戦の日の15日、県の戦没者追悼式が熊本市で開かれる

盛夏の眩光が街を包み込む八月十五日、熊本市で戦没者追悼式が挙行された。参列した遺族ら約四百二十人が深く頭を垂れ、一分間の静寂が場内を満たす。終戦から重ねられた星霜の長さを思いつつも、祈りの重みは今なお変わらない。

今年の追悼式で胸を打たれたのは、復興への誓いと平和への願いが深く結びついていた点である。壇上に立った木村知事は、七月二十八日に発生した地震の爪痕に触れつつ、「恒久平和の確立に尽力し、被災者の暮らしとなりわいの再建に全力を尽くす」と力強く語った。戦災と災禍。形こそ違えど、平穏な日常を奪う苦難に立ち向かう決意は、同じ根から発している。壊れた街並みや傷ついた暮らしを立て直す営みそのものが、平和の尊さを身をもって証しする行為に他ならない。

そして何より印象的だったのは、次代を担う若い声だ。参列者を前に平和への願いを述べた山鹿市立八幡小学校六年の平川奈乃羽さんは、「戦争の悲惨さや平和の尊さをしっかり学び、戦争は二度としてはいけないことをたくさん人に広げていこうと思います」と言葉を紡いだ。

語り部たちの高齢化が進み、体験者の生の声を聞く機会が年々減少しつつある今日、戦争の記憶はいかにして継承されるべきか。その答えの一端が、この小学生の直射の言葉にある。単に過去の悲劇を思い起こすにとどまらず、「学び」「広げる」という主体的な行動へと踏み出す姿勢。それこそが、風化の波を押し返す確かな力となるはずだ。

大地の揺れに耐えながら、命の重みと平和の価値を噛み締めた熊本の一日。記憶を抱き止め、未来へと言葉を繋ぐ子供たちの存在に、私たちは確かな希望の光を見る。過去の犠牲の上に成り立つ現在の平穏を守り抜く責任が、今を生きる私たち一人ひとりに託されている。

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