林芳正総務相が16日、熊本地震の被災者支援に宝くじの収益を活用すると表明

一枚の小さな紙片に、人々はささやかな夢を託す。その購買意欲の背後に横たわるのは、当たりくじを引き当てる幸運への期待ばかりではない。一枚の宝くじが、ときに傷ついた大地を起こし、被災した街の街灯を再び灯す原動力となる。

林芳正総務相が熊本の被災地を視察し、支援策として宝くじ収益の活用を表明した。10年前の熊本地震や、記憶に新しい能登半島地震でも講じられた手法である。購入者が払う代金の一部が、巡り巡って復興の槌音へと形を変える。助け合いの念を一枚の券に託す試みは、助け合いの知恵として日本社会に定着してきた。

大臣が足を運んだ現場には、災害の凄惨さと容赦なさがそのまま残る。商業施設の爆発事故で命を落とした方々への献花、そして地割れが走る街の惨状。平穏な日常が一瞬にして奪われた場所で、被災した人々が今まさに求めているのは、具体的な救済の手と明確な未来の足がかりにほかならない。

宝くじの収益活用や特別交付税の配分といった財政支援は、生活再建に向けた重要な財源となる。だが、ここで忘れてはならないのは「スピード感」というもう一つの切実な財源である。自治体との協議や制度の運用に時間を取られ、支援の到着が遅れては元も子もない。絵に描いた餅ならぬ「絵に描いた当選金」で終わらせてはならないのだ。

買えば当たるかもしれない。だが、被災地への支援においては「確実な当たり」こそが求められる。それは夢を買う博打ではなく、迅速で確実な政治の実行力である。熊本の地に寄せる全国からの善意と関心が、一刻も早くインフラの復旧と人々の笑顔の再開につながることを切に願う。

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