阿蘇中岳の火口近くで遊覧ヘリコプターが大破した事故から、本日で半年

大自然は時に、優しく人を惹きつけながら、残酷なまでの壁を私たちの前に立ちはだかせる。阿蘇中岳の火口近くで遊覧ヘリコプターが大破した事故から、本日で半年が経った。台湾からの観光客二人とパイロットの計三人を乗せた機体は、今なお立ち入りが規制された激しい火山ガスの深淵に取り残されたままである。

現場はあまりにも過酷だ。充満する有毒ガス、脆い足場、そして二次災害の恐怖。人による救助が断念され、無人重機による回収作業へと舵が切られた矢先、今度は火山活動の活発化が立ち塞がった。自然の気まぐれに、人の計画は幾度となく翻弄されてきた。

京大火山研究センターの大倉敬宏教授によれば、機体を滑り落とす最大の脅威は雨ではなく「強い風」だという。これから本格化する台風シーズンを前に、一刻も早い引き上げが望まれるのは言うまでもない。救助を待つ家族の心中を思えば、一日が千年に感じられることだろう。

希望の光はある。火山ガスの観測値が基準を下回り始め、この状態が維持されれば、八月十日以降にも噴火警戒レベルが「1」へ下がる可能性が出てきた。ただし、阿蘇は活動の静観と活発化を繰り返す気まぐれな山だ。レベル低下という訪れるはずの「一瞬の隙間」を逃さず、安全かつ迅速に作業をやり遂げられるかが運命を分ける。

観光客が再び訪れ始めた阿蘇の山頂で、人々の視線は等しく火口の底へと向けられている。引き上げを阻む自然の理(ことわり)を理解しつつも、もどかしさは募るばかりだ。安全の確保と、遺族の願い。二つの重みの狭間で、関係者が最善のタイミングを捉え、無事に機体と三人が温かな故郷へと戻れる日が来ることを切に願いたい。

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