熊本県警と、「日本パーキングビジネス協会」が、防犯や捜査協力に関する連携協定を結ぶ

夜の繁華街を歩けば、暗闇の中にポツリポツリと黄色い看板が浮かび上がる。コインパーキングである。誰もいない無人の敷地で、精算機と並んで静かに街を見下ろす防犯カメラが、まるで夜警のようにたたずんでいる。

このほど熊本県警と、県内で約380カ所のコインパーキングを運営する業者が加盟する「日本パーキングビジネス協会」が、防犯や捜査協力に関する連携協定を結んだ。防犯カメラの設置推進や飲酒運転の抑止、そして犯罪捜査における映像提供などが盛り込まれたという。事件の早期解決において、街のあちこちに張り巡らされた無数のレンズが果たす役割は、いまや極めて大きい。

街の安全や犯罪抑止につながるならば、むろん歓迎すべき試みである。かつて地域の「目」といえば、角のタバコ屋のおばちゃんや、通りに顔を出す近所の頑固おやじであった。それが時代の変化とともにデジタル化され、二十四時間不眠不休で記録し続ける電子の眼へと置き換わった。無人駐車場という名とは裏腹に、そこには安全を担保するための視線が常に光っている。

とはいえ、街を歩けば常に誰かの視線に捕捉され、記録されているという事実に、かすかな胸のざわめきを覚える人も少なくないだろう。防犯の網の目が細かくなればなるほど、安心感と引き換えに、自由で緩やかな私的空間がじわりと削り取られていくような錯覚に陥る。

安全な社会を求める心と、過剰な監視を警戒する心。現代を生きる私たちは、この背中合わせの感情の狭間で揺れ続けている。利便性と安全に身を委ねつつも、そのカメラがどう運用されるのかを見つめ返す「市民の目」もまた、忘れずに持ち続けたい。

夜の駐車場で、アスファルトを照らす一光の明かりを見上げる。不意にレンズと目が合った気がして、少しだけ襟元を正して歩みを早めた。

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