熊本県が30日、地震による死者が34人、人的被害が120人にのぼっていると発表

大地が揺れ動くとき、平穏な日常は一瞬にして崩れ去る。熊本県が発表した地震による被害の報に、言葉を失う。死者34人、人的被害120人。数字の背後には、昨日まで確かにそこにあった営みと、思いもよらぬ悲劇に直面した人々の無念が刻まれている。

大型ショッピングモールや製紙工場といった、地域の生活や産業を支える拠点が被災現場となったことに、今回の災害の苛烈さが滲む。嘉島町のイオンモール熊本で発生した爆発事故では、命を落とした7人全員が従業員だったという。店舗を守り、来場者を支える側にいた人々が犠牲となった事実は、あまりに痛ましい。企業側が約2700人の安否を確認したと公表する一方で、なお建物内に取り残された可能性のある安否不明者を追い、消防や警察による必死の捜索が続く。1人でも多くの無事を願う現場の祈りは、私たちの祈りでもある。

八代市の日本製紙工場では煙突が崩落し、11人が閉じ込められる事態となった。救援隊の懸命な活動により全員の救出こそ完了したものの、8人の死亡が確認された。幾重もの惨禍が重なった被災地の光景を前に、自然の猛威と命の脆さを改めて突きつけられる。

氷川町、八代市、宇城市、甲佐町――被害の爪痕は県内各地に及んでいる。行政による実態把握と支援の迅速化はもちろんのこと、二次災害を防ぐ万全の備えが急務だ。倒壊した建物の影で、いまも救助を待つ手があるかもしれない。一刻を争う救出活動の無事と、被災された方々の平穏が一日も早く戻ることを深く祈らずにはいられない。

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