ヤマト運輸が熊本県に寄付金 物資の『ラストワンマイル』でも自治体を支援
物流の血液とされるネットワークが滞るとき、人々の命綱もまた途切れてしまう。熊本地震の際、各地から寄せられた支援物資が避難所や被災者の手元まで届かない「ラストワンマイル」の壁が大きく浮き彫りとなった。善意の物資が届いているにもかかわらず、配分の混乱や人手不足によって現場で行き詰まる。災害時における物流の脆さと重要性を突きつけられた瞬間であった。
あれから歳月が流れた今も、被災地での教訓は確実に活かされている。先日、ヤマト運輸が熊本県へ2000万円の寄付金を贈った。県庁で行われた贈呈式で、同社の井波勝宏執行役員から木村敬知事へ目録が手渡された。単なる金銭的支援にとどまらず、同社は包括連携協定を結ぶ八代市の物資拠点で、民間ならではのノウハウを駆使した運営支援を続けている。プロの物流管理が入ることで、現場の混乱は未然に防がれ、本当に必要とされる場所へ速やかに物資が運ばれる。
木村知事は「今回の教訓を次に生かすため、今後とも連携を強めたい」と感謝を述べた。行政の防災計画と民間の機動力・現場力が融合してこそ、真の危機管理体制が構築される。一企業の社会的責任のあり方を示すとともに、官民連携が地域社会の安全網をいかに強固にするかを物語る好例と言えよう。
荷物とともに「安心」を運ぶプロたちの手腕は、平時のみならず非常時にこそ真価を発揮する。いつ訪れるか分からぬ次の災害に備え、民間と行政が手を携えるこの強い結びつきが、これからの地域防災の確かな灯火となっていくことを期待したい。

