蔵内勇夫議長への辞職勧告決議案の採決見送り・・・呆れた地方政治の腐敗

議場に漂うのは、自浄作用を放棄した事大主義の冷気である。福岡県議会の金銭授受疑惑を巡り、蔵内勇夫議長への辞職勧告決議案の採決が見送られた。採決の中止を求める動議を自民党県議団が出し、押し切ったという。身内の保身を優先し、民意の背中に冷水を浴びせる無神経さに、ただただ呆れ果てる。

県民の怒りは至極当然だ。「動議に賛成した議員の名と理由を明かせ」「これ以上見苦しくしがみつかないでほしい」。街頭に溢れた声は、議会政治の倫理を蔑ろにする政治家たちへの決別宣告に等しい。政治とカネの疑惑で追及される当事者が、政治倫理条例の制定と引き換えに辞職の意向をほのめかすなど、本末転倒の極みである。自ら襟を正せぬ者が議会改革を語る資格など、どこにあろうか。

失望の波は県民のみならず、膝元の筑後市議会にまで及んでいる。自民党県議団が採決をもって改革の意思を示すべきだったとの地元市議からの嘆きは、同じ政治の場に身を置く者としての痛烈な戒めだ。仲間内でかばい合い、うやむやのまま幕を引こうとするその姿は、地方自治の権威を自ら泥に塗る行為に他ならない。

長い歴史の中で培われたという県議会の「強さ」とは、県民の負託に応える強さではなく、身内の利権と地位を死守するための醜い強硬さであったのか。第三者委員会の調査に逃げ込む前に、議員一人ひとりが自らの良識と向き合うべきだ。採決から逃げ出した県議らの名は、事なかれ主義の証左として県民の記憶に刻まれる。自浄の能力を失った議会に、明日の福岡を語る資格はない。

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